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髪を切った。
抗がん剤が終わってから
何となく愛しさと不思議さと
それから、
一度失った物が戻ってくるという喜びで
切るのが惜しくなった。
目に見える時間。
カレンダーが4年分積み重なっても
あたしには見えない物があったのだから。
ある意味、命が続いてるという印。
長くなって嬉しさと
反比例する手間。
他に使う時間を
あれからの時間を背負い続けることに使って
それが本当に自分が望んでいることだろうか、と
ううん、きっと違う。
あの時から
少しずつ解放されていく自分を
忘れるな、と戒める形を作っていたのだ。
伸びた髪はもらってきた。
きっと、これは自分に必要だった儀式みたいなもの。
あたしは、
今という時間を前より愛おしく抱きしめられる。
by penguintankentai
| 2009-09-22 23:07
| ひとりごと
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